ビール工房 / 東京都

「100年後も続く街のビール屋さんを目指したい」

「100年後も続く街のビール屋さんを目指したい」

東京都で7店舗、埼玉県で1店舗展開している”ビール工房”。それぞれの店舗で手造りかつ出来立てのビールを味わうことができます。「100年後も続く街のビール屋さんを目指したい」という想いで醸造を開始した、ビール工房の創業者で現在は取締役の能村さんにこだわりのクラフトビールについてお話を聞いてきました。

今回の登場人物

BANSHAKU編集部和田(以下、BANSHAKU和田)
好きなものはお酒とゴルフ。最近は毎日の晩酌を楽しくするために燻製作りに没頭中。ぬか床にもチャレンジしています。

ビール工房 能村さん
東京都板橋区出身。上智大学中退。広告代理店の会社を経て、独立。2010年、高円寺に「高円寺麦酒工房」をオープン。醸造所を併設した店内では、できたてのビールがいただける。

  1. 自分探しの果てに発見したクラフトビールとの出会い。
  2. 常に出来立てのビールにこだわり続ける理由とは。
  3. ”ビール工房”が挑戦した、おすすめビールのご紹介。
  4. 日本人醸造家としてのこれからの挑戦。

自分探しの果てに発見したクラフトビールとの出会い。

本日はよろしくお願いいたします!まず初めにビール工房を開業された経緯を教えてください。

私は以前、販促関係の会社に5年程勤めておりました。毎日激務に追われ大変でしたがやりがいも感じておりました。しかしその分「この生活を続けていくべきなのか」と悩んだ末、退職を決めて自分探しの旅に出ることを決意したのです。

やりがいがある仕事を辞めて自分探しの旅に出るのは思い切った決断だったのですね。

そのとき旅先で出会ったのが栃木マイクロブルワリーさんでした。昔から三度の飯よりビールが好きだったこともあり、ビールを個人で作れることに衝撃を受け「やりたいことはこれだ!」と確信したのがビール業界に進んだきっかけですね。

その後ビールに関連する勉強をしているときに、私の生涯の師匠である岡山県にある吉備土手下麦酒醸造所の永原敬さんに出会いました。それから約半年間、岡山県を行き来し永原さんのもとで修行をして2010年に東京の高円寺にてビール工房を開業いたしました。

▶︎ビール工房創業者 能村さん

常に出来立てのビールにこだわり続ける理由とは。

次にクラフトビール造りのこだわりはございますか?

弊社は「街のビール屋さん」というコンセプトのもと日々の醸造に取り組んでおります。街のパン屋さんや豆腐屋さんがあるように、ビール屋さんがあっても良いと思っております。

確かにその街に根付いたビール屋さんがあってもいいですね。

大学生のときに旅先で飲んだ出来立ての地ビールに衝撃を受けて以来、出来立てのビールを提供しております。例えば、美味しい魚は魚が獲れる地域で食べるのが一番美味しいですし、ビールに限っても一緒だと思っております。アメリカでは「ビールに旅をさせるな」という格言があるのですが、鮮度が命だと思っています。そのため、弊社のビールは工場出荷から中0日の鮮度でいただくことができるようにしています。

また、女性でも入りやすいようにカフェのような店づくりをおこない、どなたでも気軽に立ち寄ることができるように心がけています。

▶︎ビール工房 浅草店の外観

お店で提供されているビールは、お店により異なるビールを提供しているのですか。

当社は現在8店舗を運営しており、各店舗ごとにタップ数が変わります。少なくとも3種類以上はその店舗で造ったビールを提供し、他には応援ビールというものを提供しております。

応援ビールとはどのようなビールですか?

弊社にはブルワーが20人程おりまして、それぞれに得意としているビアスタイルがございます。

得意なスタイルのビールばかり造ってしまうと、お店で提供されるビールが偏ってしまいお客様の選ぶ幅が少なくなってしまうのです。

それでは我々の目指すところとはかけ離れてしまいますので、各店舗で造ったビールを共有することによってビールの偏りを無くそうと思いました。

ビールを共有することでブルワー同士の成長にも繋がりますし、お客様からするとビールを選ぶ幅が広がるようになりました。

▶︎ビール工房 高田馬場店の醸造所内の様子

”ビール工房”が初挑戦した、おすすめビールのご紹介。

ブルワー同士の成長に繋がるのは素晴らしい発想だと思います。能村さんおすすめのビールを教えてください。

これからの時期にとてもおすすめのビールが『サンシャインゴールド』というビールになります。保存性を上げて少しでも長く、出来立てのビールを楽しめるように工夫して造ったビールです。

このビールは、10年に渡り数々の醸造家がレシピをブラッシュアップし、進化し続けている1番⼈気の『サニーゴールド』を改良して造ったビールです。フルーティーでトロピカルなホップの⾹りを感じられ、他では味わうことのできない味わいに仕上がっております。

ビール工房さんのファンにとって馴染み深いビールなんですね。

サンシャインゴールドは全店舗共通で生樽にてご提供予定です。また、基本的にビール工房では瓶詰めの販売はしないのですが、サンシャインゴールドに限っては保存性を高めておりますので瓶詰めでの販売も行う予定です。

サンシャインゴールドを自宅でも楽しめる機会が増えて楽しみです。サンシャインゴールドはどのような食事と合わせるのかいいですか?

どんな料理にも合うと思います。お魚や野菜を使ったあっさりとした料理から、ガッツリとしたお肉系の料理まで幅広く合わせることができます。とても万能なビールですね。クラフトビール初心者の方からマニアの方にも楽しんでいただけると思います。    

▶︎サンシャインゴールド

日本人醸造家としてのこれからの挑戦。

ビール選びに迷ったらサンシャインゴールドを選んでおけば間違いないですね!最後に、これから挑戦していきたいことはございますか。

ビールは元々西洋の文化です。海外で流行しているスタイルが日本に入ってくるという流れが固定されつつありますが我々は日本人醸造家として日本のスタイルを造りたいと思い、日本の文化である日本酒の技術との融合を考えました。

日本酒の技術との融合とはすごく興味深いです。

そのために岩手県の有名酒蔵の方にて日本酒の製造方法などを学びました。そこでの経験を生かして出来たビールをお店の再開後販売する予定もあります。

わざわざ日本酒造りの修行までされていたのですね!?行動力が素晴らしいです!

スタイル的にはホワイトエールで原料に麦を使わず日本酒で使われる酒造適合米を使用しており発酵もビールの酵母ではなく日本酒の酵母を使用した新しいビールになります。今後も日本人醸造家として世界に日本の素晴らしい文化とジャパニーズスタイルのビールを発信していきたいと思っております。

原料に酒造適合米や日本酒の酵母を使用して本当にジャパニーズスタイルのクラフトビールだと感じました!本日はありがとうございました。

Director’s Voice

ビール工房さんではテイクアウト販売も行っております。これからオンラインショップも開設予定とのことで、先ほどご紹介した、『サンシャインゴールド』はオンラインショップからでも今後購入が可能になるとのことです。ぜひこの機会に出来立てのビールを楽しんでみてはいかがでしょうか。

Junki Tada

ビール工房について

会社名株式会社麦酒企画
住所東京都中野区中央5-3-11 柴ビル2F
営業時間各店舗異なります
ホームページhttps://www.beerkobo.com/
職人インタビュー 2020.06.06
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