金澤ブルワリー / 石川県

ビール酵母の自家培養にグルテンフリーのお酒開発!?

ビール酵母の自家培養にグルテンフリーのお酒開発!?

2016年春に小さな古民家で金沢随一の地ビールとして生まれた『金澤麦酒』。代表の鈴森さんはカナダ留学で初めてクラフトビールと出会い、地元金沢初のクラフトビールを誕生させます。自家培養のビール酵母やグルテンフリーのお酒の開発など、本日はユニークな取り組みをされている金澤ブルワリー代表の鈴森さんにお話を聞いていきます。

今回の登場人物

BANSHAKU編集部戸川(以下、BANSHAKU戸川)
編集部随一の音楽通。趣味は音楽とお酒、AirPodsとは親友であり渋谷のタワレコに頻繁に出没する。

金澤ブルワリー代表 鈴森さん(以下、金澤ブルワリー鈴森さん)
食べること飲むことが大好き。趣味はマラソン、月200kmを目標に走っている。旅行も好きで色々な世界をもっと見てみたい。

  1. 金澤ブルワリー誕生の経緯
  2. ビール酵母を自家培養させたビールとは
  3. グルテンフリーの新しいお酒”ジンジャリカ”

金澤ブルワリー誕生の経緯

今日はよろしくお願いいたします。まずはなぜクラフトビール事業を立ち上げたのかお聞かせいただけますか。

私がカナダへの留学中にイベント業務のアシスタントをしておりました。そのときにクラフトビールと出会ったのです。カナダの人々の生活に密着しているクラフトビールの存在は私の中のこれまでのビールのイメージを覆す驚きがありました。その地域でしか生み出せない味であることもあり、多種多様なクラフトビールが存在し、世界中で嗜まれていることを実感したのです。

カナダには2年間滞在し『日本に戻ったときに地元の石川県に携わることをしたい』と考えておりました。その後、帰国したときに石川県内には2社クラフトビールのブルワリーはあるのですが、金沢にはクラフトビールが1つもないことに気がついたのです。

カナダへの留学前は自動車関係の仕事をしていたのですが、帰国後は、その前職の上司の繋がりで新たな出会いもあり、様々なことが重なり、2015年にこの地でクラフトビールの事業を立ち上げることを決心しました。当初は私自身醸造を行っておりましたが、現在は別のメンバーが醸造責任者を担当しておりますね。

▶︎取材を受けていただいた、金澤ブルワリー鈴森さん

後ほどご紹介いただきますが、金澤ブルワリーさんでは珍しいお酒を造られていると思います。商品設計などアイディアはどなたが起点となるのですか。

私や醸造長で、その時の周囲や市場の声も聞きながら商品開発をしています。幅広く様々なお酒を造っていて、昨年からは石川県ならではの農産物の果物を使ったビールや、”ジンジャリカ”という生姜を使ったお酒も造っています。ジンジャリカは酒税法上の品目としてはその他の醸造酒に該当されますね。

▶︎工場設備

ビール酵母を自家培養させたビールとは

ここからは少しお酒についてお聞きしていきます。まずはビールについて、何種類醸造されているのでしょうか。

定番では8種類のビールを販売しております。これらに加え、期間限定商品が3種類ほどですね。1番人気の商品は”VIRGIN ALE”と名付けたペールエールですね。金澤ブルワリーの設立当初から造り続けられているビールで、苦味がしっかりしていて飲みやすく、料理に合わせやすいのが特徴ですね。

また、”WEIZEN”は小麦を多く使用していてフルーティな味わいです。ヴァイツェン酵母の香りを楽しむことができるのですが、ヴァイツェン酵母の自家培養を自社で行っているのは他のブルワリーさんではなかなかないのではないかと思います。

他には石川県産の”ゆずビール”や日本酒酵母により吟醸香を醸し出す特徴的な”バーレーワイン”もおすすめですよ。

どの商品も自家培養によって新鮮なビール酵母を使うことができるため、質の高いビールであると自信を持っております。

▶︎ VIRGIN ALE
▶︎WEIZEN

自家培養された酵母のビールが気になります。料理に合わせやすいとお伺いしましたがどのような料理と相性がいいですか。

VIRGIN ALEはお寿司と合います。金沢市内のお寿司屋さんにもVIRGIN ALEを入れていただいていますね。すっきりしたお寿司と苦味がきいたVIRGIN ALEの相性がおすすめです。

また、WEIZENであればあっさりとした洋食は幅広く合わせやすいです。なかでもパスタがいいのではないでしょうか。一方でゆずビールは和食と合います。金沢は割烹料理屋さんが多いのですが、煮物とゆずビールを合わせるのも面白いと思いますね。

グルテンフリーの新しいお酒”ジンジャリカ”

続いて、先ほど少しお伺いした”ジンジャリカ”についてお聞きしたいのですが、まずはどのような商品なのかご紹介いただいてもよろしいですか。

ジンジャリカは金澤ブルワリーの新しい挑戦として石川県の新商品開発のためのファンドプロジェクトにも採択され生まれた、”グルテンフリーの発泡性のお酒”です。特殊な製造免許が必要で、商品構想から発売までに2年の歳月がかかったお酒ですね。

近年海外でも注目されているグルテンフリーは、タンパク質の1種であるグルテンを含んだものをなるべく口にしないようにする食事法です。そんな食事スタイルの方や小麦アレルギーの方をも含めたより多くの人に楽しんでいただくことができます。

アクセントには金沢市にゆかりがある生姜を使っています。金沢には全国で唯一、香辛料の神様を祀る“波自加彌( はじかみ)神社”がありまして、生姜によって『すっきりと上品でありながら、それだけじゃない。』そう感じさせることができていますね。

▶︎ジンジャリカ

グルテンフリーになっているのですね、どのような方が楽しむのがおすすめなのでしょうか。

アルコール度数は3%なので大変飲みやすく、健康意識が高い方や女性にとてもおすすめですね。最近ではグルテンフリーが話題を呼び込み、シンガポールなど海外の方々の間でも認知が広まってきました。

今後の取り組みとして目標がありましたら教えてください。

クラフトビールは無限大の可能性があると思います。私たち地域密着型の醸造所ならではの新しい商品開発にチャレンジしていきたいです。また、旬の農産物とのセット販売も行っていきたいと思っていますね。

Director’s Voice

金澤ブルワリーさんでは基本的には工場とオンラインショップのみの運営となりますので、『飲食店さんでお酒を楽しむには金沢市内が最も多く提供されていておすすめ』とのことです。ビールの枠を飛び出した商品開発は今後もとても楽しみなブルワリーさんですね。みなさんも金沢にお立ち寄りの際にはぜひお楽しみください。

Junki Tada

金澤ブルワリーについて

住所〒921-8173
石川県金沢市円光寺3-1-5
TEL076-201-0500
公式ホームページhttps://k-beer.jp/
職人インタビュー 2020.08.28
トップページ > すべての記事 > 職人インタビュー > ビール酵母の自家培養にグルテンフリーのお酒開発!?

\この記事をシェア/

interview職人インタビュー

columnコラム

reviewレビュー

BANSHAKUは株式会社threefeetが運営しております。

お仕事のご依頼、メディアへの出演依頼などはお問い合わせフォームからお願いいたします。

お問い合わせフォームへ