京都醸造 / 京都府

3人の元英語教師が立ち上げたブルワリー!?

3人の元英語教師が立ち上げたブルワリー!?

日本の伝統文化の街、京都。
工芸品やお寺、芸能など海外の方で、日本といえば京都と連想される方も多いのではないだろうか。

本日は海外出身の3人が立ち上げた”京都醸造”というブルワリーを紹介する。なぜ3人が京都に集ったのか、ビールの特徴についてもご覧いただきたい。

今回の登場人物

BANSHAKU編集部戸川(以下、BANSHAKU戸川)
編集部随一の音楽通。趣味は音楽とお酒、AirPodsとは親友であり渋谷のタワレコに頻繁に出没する。

京都醸造 ベンジャミンさん
2005年にイギリスのウェールズより来日。創業者3人の1人であり、共同経営と、主に営業部門を担当している。

  1. 京都醸造誕生の遷移
  2. 京都醸造が造るビールとは

京都醸造誕生の遷移

まずは事業を起こした経緯をお伺いしてもよろしいですか。

京都醸造はクリス、ポールそして私の3名で立ち上げました。この3人が知り合った経緯は青森県での国際交流プログラムです。3人とも英語の教師として青森県に住んでいて互いに交流を深めておりました。青森県での出会い以降、クリスは京都、ポールと私は東京に引越しをしてバラバラになりましたが、3人ともビール好きというのは共通してありました。

クリスはアメリカに住んでいた頃からホームブリューイング(ビールの自家醸造)が趣味でして、京都で仕事をしながら本業をビール造りにしたいという気持ちが強まっていました。自身が気に入っているブルワリーで働くか、自分でブルワリーを立ち上げるか悩んでいたのです。

一方、ポールと私は東京にあるいろんなクラフトビール専門店を巡りクラフトビールにハマっていたのですが、ポールもいつか自分の会社を立ち上げたいという気持ちが強まっていました。

私もいくつかブルワリーの見学をしながら2人のプロジェクに参加したいと思うようになり、3人で会社を立ち上げることになりました。

醸造所設立地を京都に選んだ理由はありますか。

京都を拠点にした理由ですが、3人ともこの京都という街が好きでした。クリスが京都に長く住んでいてとても気に入っている場所でしたし、私も日本に来る前の学生時代に京都に訪れたことがあり、私にとって大切な場所でした。

また、ビジネスとして考えたときに、クラフトビールはこの街と共通点があると思いました。京都は職人の街というイメージがありますが、クラフトビールも職人気質な業界だと思います。当時クラフトビールを取り扱っているお店は少なかったですし、お茶や珈琲のようにクラフトビールが人気になるのではないかと思っていました。

▶︎京都醸造所外観の様子

ビールの醸造はクリスさんが担当されていらっしゃるのですか。

醸造はクリスがやっています。弊社のビールはアメリカとベルギーのスタイルに特化しています。

アメリカやベルギースタイルのビールは、面白いビールが造れるのが特徴です。例えばアメリカの酵母はモルトとホップを邪魔しないようなものが多いのですが、ベルギーは味とキャラクターが出るので、使うものによってそれぞれ変わります。

私たちが使っている酵母はとてもドライなものになりまして、温度によってキャラクターが変わります。様々な種類のビールと相性が良く、それをベースにアメリカンホップやヨーロッパの新しいホップなどをブレンドしてオリジナルビールを造っています。

▶︎醸造設備の様子

京都醸造が造るビールとは

定番のビールは何種類あるのですか。

定番商品は3種類ありまして、限定商品は季節限定の気まぐれシリーズになります。アメリカンIPAをベースに、季節に合わせて4種類のビールを造っています。

おすすめのビールをいくつか教えてください

まず1つ目は”一期一会”という定番商品なのですが、1番最初に造った定番商品になります。ベルギースタイルの”セゾン”で酵母由来のスパイス感とフルーティーさ、柑橘系のホップがけっこう効いているのでドライながらフルーティーさを楽しんでもらえる商品ですね。

スッキリ飲めるのでいろんな料理に合わせやすいと思っています。私は特に海鮮料理と合わせるのが好きですが、お肉料理などとも相性が良いです。

▶︎一期一会

2つ目は1年に2回ほど仕込む”毬男”という”ベルジャンダブルIPA”になります。フルーティーなホップを多く使っていて、IPA好きにはたまらない、人気な商品です。一期一会と同じ酵母を使っているので、スパイシーさやフルーティーさはあるのですがジューシーなホップを使っているのでフルーツ感を強く感じられると思います。

アルコール度数は7.5%なので少し重く感じるかもしれませんがとても美味しいです。ビール単体でも充分に楽しんでいただけると思うので合わせるのは軽いおつまみが良いかなと思います。

▶︎毬男

京都醸造さんのビールはどちらで飲むことが出来るのですか。

醸造所に併設しているタップルームはもちろん、公式サイトにはビールを提供しているお店を載せていまして、全国80数箇所のお店でも飲むことができますね。また、お家で飲みたい場合はオンラインショップでボトルビールの販売もしていますので要チェックしていただきたいです。

最後にメッセージをお願いします。

今年も残り少ないですが新商品をどんどん造っていきます。近々、「毬男」「毬子」などの毬シリーズ商品”毬蔵”というベルジャンダブルIPAの完成も控えています。毬蔵は樽での販売に加えて、瓶での販売も予定しています。タップルームやお気に入りのお店、お家などで是非飲み比べを楽しんでいただければ幸いです。

クラフトビールを飲んだことある人、ない人どちらもいらっしゃると思いますが、日本のクラフトビールは世界で見たら1%ほどしかブルワリーがなく、これから広がっていくと思います。今は新型コロナウイルスの影響で皆さんが大変な時期ですが、ローカルのサポートをしていきたいと思っています。

Director’s Voice

京都醸造が立ち上がったのは2015年。当時日本では地ビール衰退が落ち着き、今のクラフトビールブームが始まった頃であった。筆者も京都のタップルームでビールを飲んだことがあるが、チャレンジングな味わいを感じたのを鮮明に覚えている。今後も京都醸造からのリリースに目が離せない。

Junki Tada

京都醸造について

住所〒601-8446
京都市南区西九条高畠町25-1
TEL075-574-7820
公式サイトhttps://kyotobrewing.com/
職人インタビュー 2020.10.30
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