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クラフトビールが発売15分で完売⁉︎−クラフトビール界のトップランナー”サンクトガーレン”の歩み

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神奈川県厚木に醸造所があるサンクトガーレン。岩本社長に会社の歴史や話題の”インペリアルチョコレートスタウト”の販売裏話などをお聞きしてきました。

  1. 飲茶飲食店からクラフトビール醸造への変遷
  2. 注文が鳴り止まない。インペリアルチョコレートスタウトのスマッシュヒット
  3. 「みんなが楽しむようなことをしていきたい」岩本社長の信念
  4. サンクトガーレンの”らしい”飲み方とは

飲茶飲食店からクラフトビール醸造への変遷

−ビール作りのきっかけはどのようなものでしょうか

僕は父の会社で働いていました。父の会社は当時、中国料理の飲茶のセントラルキッチンを持っていて、卸売や直営の飲食店を持っていたり、フランチャイズ展開をしていました。当時はバブルの時代で景気が良く、横浜中華街、新宿、池袋、六本木にお店を出していたんです。

父にはアメリカにお店を出したいという夢があって、サンフランシスコにお店を出すことになったんです。そこであるときロサンゼルスに行く途中、フレズノという街に訪れた時、レストランに入ったらビールを造っていることを知りました。それを見て、僕の父が日本でもできないかと言い出してやり始めようとするんです。それが1989年頃になります。

それで日本に帰ってきてやろうとなったのですが、当時の日本だとビールが造れなかったんです。酒税法で、年間に2,000キロリッター以上醸造する必要があって、大手しか造ることができなかったんです。国税に聞いてみても「日本には小規模醸造所は不要である」とFAXが返ってきました。日本では造れないため、1993年アメリカのサンフランシスコでサンクトガーレンを創りました。サンフランシスコのダウンタウンにお店があったのでそこでブルワリーを創って始めたんです。

−その後、いつごろから日本での醸造を始めるのでしょうか。

1993年に六本木にあった飲茶の店舗を改造し、200リットルの小さなタンクを置いてノンアルコールビールを造り始めました。当時まだ輸入ビールが少なかったため、そんな時代に「このビールを持ってきて日本の人たちわかるかな」と思ったんです。そこでまずは実践して見せようと考えてノンアルコールビール造りが始まりました。

それからサンフランシスコでビール醸造をしていることがアメリカのニュース誌TIMEに掲載されたことなどから、
日本国内でも規制緩和の動きができ始めました。そしてついに1995年、地ビールが醸造解禁になったのです。

【ビール醸造中の様子】

ノンアルコールビールは美味しいのですがアルコールが0.75%なので少し物足りなさを感じるようになっていきました。アルコールを感じることができる本物のビールが造りたくなり、着目したのが発泡酒の醸造でした。発泡酒とはシナモンが一つでも入ったら発泡酒に該当されるのです。これを造ろうと思い、六本木で造り始めました。

【シナモン】

−アメリカに醸造所がある中、日本でビールを造った背景はどのようなものですか。

アメリカからだと輸送中にビールの品質が変わり、造りたてのビールと日本に届いたときとでビールの香りや味わいが変わってしまうためです。日本で造りたいと思って1997年に厚木に工場を設立しました。

【工場内では瓶詰めも行う】

−クラフトビールが発売されてからは順調に行ったのですか。

いえ、実は2001年にうちが一回無くなるんです。

先ほど1997年に厚木に醸造所を設立したとお伝えしましたが、父の会社がバブル崩壊してからだんだんと経営が悪くなる中で最後の力で厚木に醸造所を創ったのです。醸造所を設立してから、3年目に経営状況が耐えきれず醸造免許の要件を満たせなくなってしまいました。

それでも諦めずに何度も厚木税務署の人たちと話しをして、ようやく2003年からまた造り始められるようになったのです。

【醸造タンク3,000リットルの仕込みが可能】

注文が鳴り止まない。インペリアルチョコレートスタウトのスマッシュヒット

−サンクトガーレンといえばインペリアルチョコレートスタウトが大変有名ですが、どのようにして誕生したのですか。

クラフトビールの事業を始めた理由の一つに、僕や父が「ビールは毎日飲むのではないか」と仮説があったですが、なかなかうまくいかない状況が3〜4年続き、ビールを売るのが難しいことを学びました。

当時、クラフトビールを飲む人は、ビール好きの人かお土産で買う人の2パターンでした。サンクトガーレンはその中で幸いにもビール好きの人に人気があったので、思い切ってそのビール好きの人たちだけに買ってもらう気持ちで売るようにし始めましたのです。

少し余裕が出てき始めた、2005年の11月にビンテージを造ろうと考えたのです。僕はチョコレートキャラクターが強いスタウトが好きだったのでインペリアルチョコレートスタウトを造りました。

【今年のバレンタインのラインナップビール】

【麦芽】

翌年のバレンタインに当ててみたのですが、予想以上の売れ行きになったのです。初年度は6,000本造ったのですが、Yahooニュースのトップに載ってしまって、発売4日目から僕の携帯の注文が鳴り止まなくなりました。ビール好きの人たちがサンクトガーレンが造ったチョコレートスタウトを飲もうと思っていたのですが、彼らがほとんど買えずに売り切れてしまったのです。その時に「幻」と言われました。

−他のビールはどのようにして誕生したのですか。

2006年の11月にバーレーワインを造りました。僕のそれまでの経験ですが、ビール専門のビアバーでもボジョレーヌーボー解禁の時はボジョレーヌーボーを提供していたのです。この日にバーレーワインを当ててみれば面白いんじゃないかと考えて造ったのです。おかげでビールが好きな人たちの間では、「ヌーボー解禁ではなくディアブロの解禁日」と言ってくれる方もいらっしゃいます。

【ディアブロ】

−サンクトガーレンが造るビールはスイーツビールが多いですが理由はありますか。

バレンタインフェアの際に売り場に見に行ったことがありまして、お客さんが「これをプレゼントに包んでください。こっちは自宅用です」って言う人が多くいらっしゃいました。自宅用というのが気になって、直接お客さんに聞いてみたのです。そうすると「私が個人的にビールに興味あるので、プレセントと別で自分のために買いたいんです」と言ってくれたのです。

それまで僕たちは、ホップのアロマや麦芽の話など説明してたのですが誰にも伝わっていませんでした。ビールを広めていくことを少し諦めていましたが、「チョコレートみたい」と伝えることで興味を持ってくれることに気がつきました。

一方、スイーツビールを造ったことで沢山世間から叩かれました。社員からは「もうスイーツビールを造るのをやめませんか」と来ることもありました。でも「バニラやリンゴは本物を使うしなにも変なことはしていない。スイーツビールは海外でいくらでもある。日本人はみんな知らないだけだ」と言い続けました。

その後、ビアフェスティバルで来場者人気投票でバニラスタウトが人気一位を取ったのです。

【バニラスタウト】

「みんなが楽しむようなことをしていきたい」岩本社長の信念

−岩本社長がビールを造る際に最も大切にしていることはなんですか。

僕たちは何をしたいかと言うと、みんなが楽しめるようなことをやれればいいなと思っていますね。

毎年エイプリルフールには1日だけ造るビールを販売しています。例えば「サンクトガーレンは日本で一番有名なブランド”とりあえずビール”を買収しました」とリリースして、とりあえずビールというラベルをつけて3,000本売ったり。震災のときはアンバーエールとゴールデンエールの”ALE”を”YEEL”に変えて売って、売上の40%を被災地に寄付しました。

一番話題になったのが”うん、この黒”ですね。ブラックアイボリーという像の排泄物から取れる、世界で一番高いコーヒーを使ったビールです。エイプリルフールをみなさん楽しみにしてくれているので、大変ではありますがチャレンジし続けています。

【醸造所にはたくさんのタンクが並ぶ】

他には湘南ベルマーレのビールも造っています。Jリーグ初の公式ビールです。ある年、FC東京さんと試合した時に、サポーターさんの中にサンクトガーレンを飲んでくださっている方たちが沢山いて「湘南ベルマーレ戦はサンクトガーレンのビールを飲み尽くす」とおっしゃっていたのです。

それがきっかけで、サッカー観戦なはずなのに、沢山のビールを飲むようになって、去年の2月には寒い日なのに1試合で800リットルビールが出ました。それでいろんなサポーターが触発されてビール飲んでくれて、日本で一番美味しいビールが飲めるスタジアムは湘南だって言ってくれたんです。

サンクトガーレンの”らしい”飲み方とは

−サンクトガーレンのビールはどんなときに飲めばいいでしょうか。

僕たちは「コンビニでついでに買うビール」というよりも「何かあった時に飲むビール」になれたらいいなと思っています。

−ビールに合うおつまみや一品は何かありますか。

ビールによって違いますが、例えばアンバーエールなら肉料理が合いますね。黒ビールは蕎麦が合いますね。

湘南ゴールドというオレンジのビールを春夏期間限定で造るのですが、それに合わせるんだったらマンゴーのミルクレープとかちょっとレモングラスを使ったタイ料理とか合いそうですね。

【湘南ゴールド】

パークハイエット東京さんとイベントをやった時は、サンクトガーレンのビールを使ったフルコースをやりました。全てビールに合わせた料理を出してくれて、パティシエの方がバーレイワインを使ったソルベを作ってくれたり、インペリアルチョコレートスタウトはフォアグラに合わせてくれました。

ラガーは元々ドイツが発祥で水代わりに飲むようになって料理を邪魔しないだと思っています。一方、エールはビーチなんかで飲んだら暑苦しいですよね。例えば、ベルギービールなら料理に合わせて甘かったり、酸っぱかったり、料理に合わせて楽しめるのかなと思います。そういう楽しさがありますね。

編集後記

今年のエイプリールフールにサンクトガーレンさんが何をされるかがとても楽しみですね。これからも買い手を楽しませてくれるサンクトガーレンさんを応援しています!

左から順に、BANSHAKU編集部戸川 サンクトガーレン 岩本社長

 

本日ご紹介させていただいた、サンクトガーレンさんの情報はこちら

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