26K Brewery / 東京都

醸造所の広さはたったの「3坪」⁉︎

醸造所の広さはたったの「3坪」⁉︎

東京都武蔵野市、高架下にたった3坪のスペースでクラフトビール を醸造している『26K Brewery(ニーロクケー ブルワリー)』。クラフトビールを飲んだことが無い方でもまずは飲んでもらいやすいようにと、こだわりを持ったビールは武蔵野エリア近隣の女性ファンから支持されています。本日は 26K Brewery を運営されている 株式会社スイベルアンドノット 代表取締役 見木(けんもく)さんにブルワリー設立からオススメのクラフトビールのことまでお話をお伺いしました。

  1. 広告事業からクラフトビール醸造所の設立へ
  2. 26K Breweryで造られるビールとは
  3. 見木さんオススメのペアリング

広告事業からクラフトビール醸造所の設立へ

−まずはクラフトビールのブルワリーとして事業を起こしたきっかけを教えてください。

もともと個人としては大きな広告代理店で勤めていたのですが、「地域密着型の仕事をしたい」という想いがありまして、2010年に武蔵野にて広告の企画や制作を事業展開する会社を創業しました。

【株式会社スイベルアンドノット 代表取締役 見木(けんもく)さん】

広告の会社からクラフトビールの醸造所をなぜ作ったのかというと、武蔵野エリアのことが関わってきます。武蔵野エリアとは吉祥寺・三鷹(北側)・武蔵境というように、3つのエリアに分かれています。3つエリアの中でも、最も知名度が高いのが吉祥寺だと思いますが、「吉祥寺と言われて連想する名産品がない」と思ったのです。そこで自分で何かモノづくりができないかと考え始めました。

モノづくりのベースとなる商品を模索している中で、クラフトビールは「シンプルながらスタイルの種類が豊富で、さらに免許事業のため他の大手企業が参入しづらい」ことに気がついたのです。2016年、ビール醸造所を作ろうと起案しまして、現在のヘッドブルワー(醸造家)との出会いを通じて、2年 がかり で、2018年にクラフトビールの醸造所として『26K Brewery』を設立することができました。

【26K Brewery の入り口はクラフトフードモールOnd(オンド)店内にある】
【クラフトフードモールOnd(オンド)店内の様子】

26K Breweryは醸造所の広さが3坪しかない「小さな醸造所」であることを代名詞にしていまして、小さな醸造所でもビールが造れることが「隠れ家や秘密基地のような感じ」をお客様に感じていただけているのではないかと思っています。

【醸造所の広さは3坪。醸造所内では所狭しとビール樽が並ぶ】

−ありがとうございます。小さな醸造所ということでしたが、26K Breweryではどのくらいの量クラフトビールを醸造されていらっしゃるのですか。

1回の仕込みで約90リットルのクラフトビール醸造が可能です。少ない量ではありますが、そのかわりに多品種を造れるようにしています。具体的には1ヶ月に3~4種類、新しいレシピのビールを造っています。設立してから2年間でおよそ50種類程度、新しいレシピを造りました。クラフトビールを飲むことができる店舗の方では、基本的に毎日5種類のクラフトビールが提供されています。

26K Brewery では、出来上がったクラフトビールの量が少ないためすぐに売り切れてしまいます。出来立てのクラフトビール をできるだけ早めに飲んでいただくことを大切にしています。

【クラフトビールの 製造 はこちらの機材で行われている】

26K Breweryで造られるビールとは

−多品種のクラフトビールを造られているということでしたが、どのようなスタイルのビールがあるのでしょうか。

主にはライトエールやアメリカンペールエールがなどクラフトビール を初めて飲まれる方でも飲みやすいビールを造っています。他にはビーツやレモン、山椒など一風変わったレシピのビールも造ることがあります。店舗の近辺にお住まいの主婦の方など女性のお客さんがご来店することが多いので、お昼からでも気軽に飲めるよう、ライトで飲みやすいビールの提供が多いです。

【クラフトフードモールOnd(オンド)でその日飲むことができるビールは店内の黒板に書かれている】

−見木さんオススメのクラフトビール を教えてください。

特に女性のお客さんから人気があるのは、『スーラちゃん』と名付けたホワイトエールです。小麦・オレンジピール・コリアンダーを使用していて、味わいを例えると「点描画のような繊細な味」です。アルコール度数が5%なので何杯でも飲めるようにしています。

▶︎スーラちゃん(左)
▶︎芽キャベツと新じゃがごろごろグリル(右)

他には『六畳IPA』と呼ばれる醸造所を設立して初めて造ったペールエールです。26K Breweryでは最も古くからあるレシピで、味わいとしてはうちでは珍しい苦みを強調したビールです。ホップをたくさん使っていて、クラフトビールが好きな方に人気な味わいだと思います。

▶︎六畳IPA(右)
▶︎豚の角煮(左)

あとは期間限定なのですが『日本の冬エール』というお米・山椒・柚子を使ったビールがオススメです。お米の丸みを感じることができて、柚子と山椒の香りが押し上げている複雑な味わいです。飲み口に柚子、飲み終わりに山椒の香りを感じます。日本の冬エールのように期間限定販売のビールは季節によって違うビールを楽しめます。

▶︎日本の冬エール(左)
▶︎自家製タンドリーチキン(右)

−それぞれのビールに付けられた名前が個性的なのですね。何か理由はあるのですか。

クラフトビールを飲んだことが無い方にとって、単純に「エール」や「ヴァイツェン」と言ってもどのような味のビールであるか伝わりにくいと思います。わかりやすく伝わってクラフトビール のことを好きになってもらえるように、ネーミングやお店の雰囲気、食事とのペアリングなどを工夫しています。

見木さんオススメのペアリング

−食事とのペアリングではどのようなものがオススメですか。

店舗ではデリ・タルト・コーヒーの提供もしているのですが、ライトエールには『ベーコンと大根の煮物』がちょうどいいですね。他には『揚げない唐揚げ』も相性が良いですね。ライトエールはアルコールのキレを抑えてあるので、脂っこいものよりは煮物のようなものの方が合わせやすいです。IPAに合うのは『自家製のタンドリーチキン』ですね。

僕は個人的に晩酌を毎日行っていまして、好きなペアリングをいうと、味わいが重厚なスタイルのビールとプリンのような甘いものを合わせるのが好きです。苦味が強いビールと、甘いものの食べ合わせが好きですね。

−最後に、どんな方にお店に来ていただきたいですか。

うちの醸造所はクラフトビールを知らない人が「缶ビール以外にもこんなビールがあるんだ」と知るきっかけになればいいと思っています。

僕は醸造家ではないので、ビールを作ることはできませんが、クラフトビールの魅力を多くの人に伝えることはできると思っています。自分自身もこの事業を行う前まではクラフトビール のお店に行っても、見たことが無いカタカナの名前のビールが並んでいてよくわかりませんでした。その感覚があるのでうちは「気軽に遊びに来てもらえる」ようなお店作りをしていきたいです。

コーヒーやタルトもあるので「生活の中でクラフトビールを少し味わってみたいな」という方に来てもらいたいです。

【ショーケースの中には美味しそうなタルトが並ぶ】

Director’s Voice

見木さんは広告事業の経験からビールフェスティバルなども企画されているそうです。コロナウイルスの関係で各地のイベントが中止となる中、現在のところ夏前にもイベントを予定しているそうです。イベント情報は随時ブルワリーのWEBサイトから見ることができます。みなさんもお店・イベント共に武蔵野エリアに立ち寄った際にはいかがでしょうか。

Junki Tada

26K Breweryについて

ブルワリー名26K Brewery
住所東京都武蔵野市境南町3-2-13 クラフトフードモールOnd(オンド)店内
TEL0422-38-5500
営業時間10:00~21:00(水曜休業日)
公式サイトhttps://26k-brewery.com/
職人インタビュー 2020.04.04
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