【15分でサクッとわかる!】ビール通のあなたに贈る日本のビール歴史大百科 −日本初ビールの誕生からクラフトビール勃興まで
ひみつビール 三重県・伊勢市【mizukiのクラフトビール研究#1】
筆者:mizuki
本業の傍ら、原宿にある国産クラフトビール専門店「threefeet Tokyo」で修行中。
お酒が好きです。チンチラ飼ってます。
ひみつビール
三重県・伊勢市
2022年11月23日 醸造開始
今回取り上げるひみつビールは、伊勢市出身の同級生2人で立ち上げたマイクロブルワリー。クラウドファウンディングを行い、わずか1日で目標金額を達成。開業につながった。
2人のプロフィール
まず、藪木啓太(やぶきけいた)さんは、農業系の大学を卒業後、ヨロッコビール(神奈川)に就職し、ビール作りのノウハウを学びつつ独立に向けて日々奮闘。
そして、醸造家である佐々木基岐(ささきもとき)さんは、伊勢角屋麦酒でヘッドブルワーとして活躍。
そんな2人が地元伊勢市で始めたのが、ひみつビールである。
祖父母の代から受け継いだ農業用の納屋を自らリノベーションし、醸造所を作り上げた。
幼少期から農業が身近にあったこともあり、なるべく自家栽培のものを使用してビールを作るファームハウスブルワリーとしてスタート。
ファームハウスブルワリーでは、ファームハウスエールと呼ばれるビールがメインで作られる。ファームハウスエールは、農作業後に仲間と飲むために農家が醸造したのが始まりだと言われている。ドライで炭酸が強く、フルーティーなのが特徴だ。
ひみつビールのコンセプト
「あなたの大切な人だけに教えてほしい」
生産量は多くないが、手間を惜しまずじっくり時間をかけて造るビールを大切な仲間や応援してくれる人たちに飲んで欲しい、という思いから「ひみつビール」と名付たそうだ。
藪木さんも佐々木さんも、大切な人からまたその人の大切な人へひみつビールと共に素敵な輪が広まっていくことを願っている。
藪木さんは、ブルワリーの使命は心地の良い居場所を創ることだと考えている。好きな物を認め合える、共通の話題のある場所。ひみつビールがそんな場所になってほしいと考えてる。
ビール造りにおける1番の目標は、命の躍動を感じられるビールを作ること。アメリカ産のホップと伊勢の水に加え、畑を借りて原料の生産を行い、目の届く範囲で農作物を作っている農家さんからのみ仕入れを行う。そんな新鮮な原料を使うからこそ、グラスに注がれた一杯に、生き生きといろんな味わいを感じることができるビールを目指している。
缶のデザインも印象的
イラストレーター兼デザイナーのaoi( @aoi_no_studio)さんが担当。一目でひみつビールだとわかるデザインとパステル調の背景。時々出てくる動物がモチーフのデザインは、誰もが思わず可愛いと言ってしまう優しさのあるキャラクター。
ビールだけでなく、ノンアルコール飲料にも力を入れている。ドライバーや妊婦の方など、飲みたくても飲めない人たちがビールと同じようにこだわりの飲み物を選べるように、フレッシュジュースをはじめ、清涼飲料水の製造も行っている。
最近クラフトビールを飲み始めたひとたちが手に取りやすく、特に女性や若者の目を引くパッケージデザイン。どのスタイルを飲んでも、最後まで飽きずに飲める1杯。ファームハウスブルワリーとして進化し続けるひみつビールを、これからより多くの人たちに知ってもらいたい。