栃木マイクロブルワリー / 栃木県

「ビールは飲んでも楽しいし、醸造も楽しい」

「ビールは飲んでも楽しいし、醸造も楽しい」

ここは栃木県宇都宮市。地ビールブームが停滞期となった2008年にビールの醸造施設を設立された”栃木マイクロブルワリー”さんがあります。

これまで造ってきたビールはなんと600〜700種類。代表兼ブルワーである横須賀さんは、25年前にビール造りの世界に飛び込みたくさんのビールを造ってこられました。

今日は栃木マイクロブルワリーさんの成り立ちから、独自のユニークな取り組みなどについても横須賀さんにお伺いしてきました。

今回の登場人物

BANSHAKU編集部多田(以下、BANSHAKU多田)
好きなお酒はビール(セゾンスタイル)。日本地ビール協会のビアテイスターの資格を持っている。最近はカズチーというおつまみにハマっている。

栃木マイクロブルワリー 横須賀さん
1995年からビール業界に参入(那須高原ビール設立から)他ブルワリー起ち上げ、醸造コンサルタントなど支援。地元宇都宮にて2008年栃木マイクロブルワリー設立、2013年ブルーマジック(宇都宮ブルワリー)設立。現在に至る

  1. ビール造り25年のキャリアを誇る横須賀さんが栃木マイクロブルワリーを設立した理由とは
  2. お客様と一緒に造ることができるオリジナルビール
  3. ビールの醍醐味は多様性。毎月違うビールを楽しむことができるタップルーム
  4. 今後の目標

ビール造り25年のキャリアを誇る横須賀さんが栃木マイクロブルワリーを設立した理由とは

本日はよろしくお願いいたします!まずはどのようにして栃木マイクロブルワリーを設立されたのかを教えて欲しいです。

もともとお酒造りに興味があり、1994年の酒税法改正がきっかけで地ビールが解禁になりビールを造るのが面白いのではないかと思い、25年ほど前にお酒業界に飛び込んで勉強を開始しました。

栃木県の那須高原ビールさんで工場の立ち上げから携わり、醸造責任者としてビール造りのノウハウを10年ほど学んだのです。

その後、自分で独立してビールを造っていきたいと思い、私の地元である栃木県宇都宮市で、出来立てのビールをそのままお客さんに提供するために2008年、”栃木マイクロブルワリー”を立ち上げました。

▶︎取材を受けていただいた、栃木マイクロブルワリー 横須賀さん

お客様と一緒に造ることができるオリジナルビール

醸造をスタートする上で大変だったことや苦労されたことはありましたか。

ブルワリーを立ち上げた2008年は地ビールブームが去った後で、ビールの販売を伸ばしていくのが大変でした。そのため付加価値を感じてもらうべく、ただビールを造るのではなくビール醸造体験もスタートしました。
 

ビール醸造体験のきっかけになったのは、私のようにビール造りをやってみたいという方がいるのではないかと思ったためです。ビールの醸造体験を通して自分のオリジナルビールを造り「ビールは飲んでも楽しいし、醸造も楽しいと感じてもらいたい」と思い、ビール醸造体験をはじめました。
 
この取り組みが少しずつお客様へ浸透していき、ビールの販売にも繋がっていきました。最初は大変なことばかりでしたがたくさんの苦労を乗り越えてきたからこそ、多くのことを学ぶことができたと思っております。

▶︎醸造設備

ビール醸造体験は当時だと斬新なアイデアだったのではないでしょうか。どのような方が利用されているのですか。

個人、法人どちらのお客様でも利用可能となっております。個人のお客様だと結婚式のようなイベントや贈答品などで利用される方が多いですね。

造ることができるビールのレシピは自由になっておりますので、私に「こんなビールを造りたい」とイメージをおしゃっていただければ、世界に一つだけの自分のオリジナルビールを造ることができますよ。

▶︎醸造所で仕込みをされている様子

ビールの醍醐味は多様性。毎月違うビールを楽しむことができるタップルーム

ありがとうございます。お客様にとって素敵な体験ができるのですね。今まで何種類のビールを造られてきたのですか。

オープン当初から合わせると13年間で600〜700種類ほどのビールを造ってきました。ビールは麦とホップでできていますが果物やハーブといった副原料も合わせると、ビール造りは無限大になります。多様性豊かでアレンジができるのがビール造りの一番の醍醐味だと思っております。

600〜700種類とは驚きました!現在タップルームで提供されているビールはどのようなものですか。

基本的にライトエール、ダークエール、フルーツビール、計3種類のビールを提供しています。時期や季節に合わせた原料を使っていますので毎月違った味わいのビールを楽しめるのがポイントです。

▶︎左から順に、フルーツビール、ライトエール、ダークエール

また、8月から発売される”とちのめぐみプレミアム”という数量限定の長期熟成フルーツビールも造っています。

栃木県のこだわりの生産者により育てられたイチゴ、パッションフルーツ、リンゴ、ナシ、ブドウなどを贅沢に使用し、オリジナル酵母で発酵させ、6ヶ月以上熟成させているビールになります。アルコール度数は9%と少し高いですがシャンパンのような感覚で楽しんでいただける逸品ですね。

▶︎とちのめぐみプレミアム

毎月違ったビールを味わえるのは楽しいですね。長期熟成ビールも貴重なビールなので大変気になるところです。今ご紹介していただいたビールに合わせて食事を考えるとしたらどのようなものがおすすめですか。

3種類のスタイルのビールに関しては毎月違うビールになりますので、とちのめぐみプレミアムに絞ってご紹介したいと思います。

とちのめぐみプレミアムはシャンパンのような感覚に近いと思いますので、食事前の食前酒としてや食後のデザートやスイーツと一緒に飲むのが楽しいと思いますよ。果物もいいですね。

今後の目標

最後に、今後の目標がありましたら教えて欲しいです。

今年はコロナウイルスの影響によりビール業界も厳しい状況で、外でビールを飲むイベントが中止になったりしています。

その反面、お店でのグラウラーでの販売(ビールの量り売り)を希望するお客様が少しずつ増え始めており、外で飲めない分ご家庭で出来立て生ビールを楽しみたい方が多いのではないかと思います。

そのようなグラウラーでの販売が今後定着することによって、グラウラーは繰り返し使うことができますのでエコ活動にも繋がると考えています。今後はグラウラーでのビール提供にも力を注いでいきたいですね、それと微力ながらクラフトビール文化地域定着を目指し醸造技術支援もお手伝いさせていただいているので、そちらも続けていきます。

▶︎グラウラー

Director’s Voice

実は横須賀さんと私がお話しするのは今回が2回目でした。1回目は私が独立する前、自分でブルワリー開業をすることを計画しており、横須賀さんに相談に乗ってもらっていたのです。結局、私の場合は諸々事業計画を修正しビールを造ることは現在しておりませんが、日本全国から横須賀さんの元でビール醸造を学びたいと修行を希望される方は多いようです。栃木を訪れた際には是非タップルームに行ってみてくださいね。

Junki Tada

栃木マイクロブルワリーについて

住所栃木県宇都宮市東塙田1丁目5番12号
電話番号028-622-1314
ホームページhttp://www.beatclub.jp/microb/index.html
職人インタビュー 2020.08.24
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