TOKYO ALEWORKS / 東京都

元スコットランドウイスキー醸造家ボブさんが造るクラフトビール⁉︎

元スコットランドウイスキー醸造家ボブさんが造るクラフトビール⁉︎

 「クラフトの進化だけではなく、革命を 」クラフトビールの進化はつねに基本に立ち返ることから始まると定義し、原点に立ち返った新しいクラフトビールの創造にチャレンジをする”TOKYO ALEWORKS”。製造・品質管理責任者のボブ・ストックウェルさんは以前スコットランドでウイスキー醸造をしていた経験があり、現在は東京板橋からビール業界を盛り上げるため、一般の方向けに醸造体験といった取り組みもされています。本日は TOKYO ALEWORKS で造られるこだわりのビールや醸造体験についてもお話を聞いてきました。

  1. ウイスキー醸造家からビール醸造家への転身。
  2. 国籍問わず世界中のクラフトビールを楽しめる。
  3. TOKYO ALEWORKS で造られるクラフトビールの楽しみ方とは。

ウイスキー醸造家からビール醸造家への転身。

−ボブさん、本日はよろしくお願いいたします。まずは事業を起こそうと思ったきっかけを教えてください。

ボブさん

 元々私はスコットランドでウイスキーを造っていました。その時にウイスキーのセミナーなども実施していたのです。ウイスキー造りには12年ぐらい携わっていて、ウイスキー造りはとても面白いのですが時間や手間がかかりすぎるため、自分の新たな挑戦として『TOKYO ALEWORKS』という会社でビール醸造の事業を立ち上げようと思ったのがきっかけです。

 次にビール醸造の場所をどこにするか検討している時に、江戸時代に物流の玄関口であった、板橋区で事業を行うのが面白いのではないかと思い、板橋区で2018年からブルワリーを始めました。以前からビールは大好きだったので、ウイスキーを造っている時もいろいろなビールの醸造所に行って勉強をしていました。シングルモルトウイスキーとビールを造るプロセスが非常に似ていたので、さらにビールが好きになりましたね。

▶︎醸造所内の様子

−醸造所ではビールの醸造体験もしているのですね。どのようなものでしょうか。

ボブさん

 外国ではホームブルーイングと言って、自宅でのビール醸造を行う文化があるのですが、日本では酒税法の関係で免許を持たずにアルコール度数1%以上のビール醸造が禁止されています。ただ、ビールに興味がある方は非常に多いと思いますので、実際にビール造り体験をすることによって、ビール業界全体が面白くなるのではないかと思い始めました。ビール醸造専用の醸造システムをアメリカから導入しており、予約制にはなるのですが月3回〜4回程度ビール醸造体験を実施しています。

−具体的にはどのようなことが体験できますか。

ボブさん

 大麦麦芽を量って挽いたり、スタイルに合わせてミネラルの量の調整、麦汁を造ってホップの投入、最後は掃除まで、大体6時間程度かけて1日のビール仕込みを体験して頂いています。ほとんどの工程をお客様に体験して頂いていますので、自分で造ったオリジナルのビールが飲めるという楽しみ方もできます。

国籍問わず世界中のクラフトビールを楽しめる。

−ありがとうございます。醸造されているビールはスコットランドのビールを造っているのですか。

ボブさん

 一部スコットランドビールを参考に造っていますが、アメリカンスタイルやドイツのスタイルのビールも醸造しております。日本を代表できるスタイルのビール造りにもチャレンジしていて、国籍を問わないビール造りができればと思っています。醸造所に隣接するタップルームでは、常時少なくても20種類の自社ビールを提供しているので、様々なスタイルのビールと出会う機会になりますよ。

▶︎お店では常時20種類の自社ビールをオンタップ

−ボブさんはこれまで、どれくらいの種類のビールを造ってこられたのでしょうか。

ボブさん

 醸造所を設立してから2年間かけて100種類以上のビールを造ってきました。

 新作のビールを紹介すると『夏は夜せぞん』というビールを造りました。このビールはベルギーで造られるスタイルのビールになります。夏の暑い日にグビグビ飲んでもらえるように、ドライで繊細なスタイルになっています。これから夏になるということもありますが、私自身が以前、日本文学の専攻をしていて、清少納言の枕草子の冒頭に「春はあけぼの」という言葉があり、その続きに「夏は夜」という言葉が出てくるのですが、そこから着想を得て商品名につけました。

 今回の夏は夜せぞんに完結せず、秋、冬、春にもシリーズ化して季節ごとに販売していこうと思っております。

▶︎夏は夜セゾン

−他にボブさんおすすめのビールはございますか。

ボブさん

 クラフトビール初心者の方におすすめしたいビールは『Junior’s Cream Ale』というビールになります。日本で一般的に飲まれることが多い、大手のビールのスタイルに最も近いビールでして、お客様に説明するときは「自転車に補助輪のついたクラフトビール」と説明しています。

 いつも飲んでいる馴染み深いビールの要素も入っていながらも、麦感がしっかりしていて、炭酸も少し弱めなビールになっています。ビールだけでお腹がいっぱいにならず料理とのペアリングが楽しめるビールです。

▶︎Junior’s Cream Ale

ボブさん

 また、『Flagon Filler ESB』というビールもおすすめです。イギリスのパブでは定番になっているビールで、麦芽の風味が主役になっています。先日行われたジャパン・グレートビア・アワーズ2020というビールの審査会では金賞を獲得することができたビールです。

▶︎Flagon Filler ESB

TOKYO ALEWORKS で造られるクラフトビールの楽しみ方とは。

−ペアリングのお話が出てきましたが、家で TOKYO ALEWORKS のビールを飲む際におすすめの食事はございますか。

ボブさん

 Junior’s Cream Ale に関しては、基本的にオールマイティーにどのような食事にも合うのですが、その中でも和食の『いたわさ』や居酒屋メニューとの相性がぴったりだと思います。

 Flagon Filler ESB に関しては大麦麦芽の甘みがあるので、洋風のハンバーグやビーフジャーキーなどジャンクフードとの相性が良いです。

▶︎現在テイクアウトや Uber eats で提供可能なお食事

−最後に、 TOKYO ALEWORKS で造られるビールはどのような方に飲んで欲しいですか。

ボブさん

 ブルワリーからタップルームまで、とても近い距離にあるので、出来立てフレッシュな状態のビールが飲めますし、全国のクラフトビールを取り扱っているお店やパブなどにもビールを卸していますので、じっくりとビールを楽しんで頂ければと思っております。

 外のお店での飲食に限らず、オンラインショップでは定番の5種類のビールをセットにした『家飲み応援セット』という商品を販売していて、今後はもっとラインナップを増やしたいと思っております。板橋の周辺であれば Uber eats でお家まで商品のお届け対応も可能です。お店にきて頂ければフードからはじめ、ボトルやペットボトルでのテイクアウト対応もしておりますので、様々な経路でビールを楽しんでもらえればと思っています。

Director’s Voice

TOKYO ALEWORKS のクラフトビールをオンラインショップで購入するには saketry というサイトで購入することができるそう。こちらではビールの量り売り用の瓶であるグラウラー販売も行っています。板橋周辺にお住まいの方はグラウラーを持ち寄ってお店に立ち寄ることで、グラウラーにビールを入れてもらって、すぐにお家でもビールを楽しむことができます。

この記事は5月1日に公開されましたが、5月1日が TOKYO ALEWORKS ができてちょうど2周年、ボブさん自身も誕生日、という記念づくしの一日でもありました。コンビニやスーパーでは購入することができない TOKYO ALEWORKS のクラフトビール。今宵のお家での晩酌にぜひいかがでしょうか。

Junki Tada

TOKYO ALEWORKSについて

ブルワリー名TOKYO ALEWORKS
住所〒173-0004
東京都板橋区板橋1丁目8−4 1F
TEL03-3961-1196
営業時間火~日、祝日、祝前日: 11:30~20:00
公式サイトhttps://tokyoaleworks.com
職人インタビュー 2020.05.01
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