Y.Y.G.Factory / 千葉県

「料理とシチュエーションに寄り添える楽しいビールを造りたい」

「料理とシチュエーションに寄り添える楽しいビールを造りたい」

グラスの中の最後の一滴まで味と香りの変化を楽しめるY.Y.G.のビール。代々木にある Y.Y.G.Brewery & Beer Kitchen は事業拡大のため、千葉にクラフトビールの醸造をメインとする Y.Y.G.Factory を設立します。Y.Y.G.Factory ならではのビール・食事・お店づくりへの想いをブルワー中村さんにお伺いしました。

  1. Y.Y.G.Factory オープンのきっかけ
  2. Y.Y.G.Factory で味わえるビール・食事とは
  3. ビーフジャーキー × ビールが最高の晩酌

Y.Y.G.Factory オープンのきっかけ

−Y.Y.G.Factory をオープンされた、経緯を教えてください

もともと弊社では代々木にある『Y.Y.G.Brewery & Beer Kitchen』を運営していて、そこでは醸造設備併設の飲店事業を行っておりました。そのお店はビルの1階と7階、計2箇所にお店を構えるような業態なのですが、お客様のクラフトビールの需要に対して、クラフトビールの生産量が追いついておりませんでした。

生産量を十分担保するために醸造メインの醸造所が追加で必要となり、醸造することが可能な場所を探し始めたのです。その後、縁がありまして、去年の5月30日に千葉にY.Y.G.Factory をオープンいたしました。結果的にこちらでは醸造だけでなく飲食も可能となっています。また、クラフトビール の生産量が以前の5倍となりました。

Y.Y.G.Factory にある醸造タンク
Y.Y.G.Factory の飲食スペース

Y.Y.G.Brewery & Beer Kitchen に関連する紹介記事はこちら

−ありがとうございます。中村さんが Y.Y.G.Factory に入社されるきっかけはあったのでしょうか。

前職は洋食のレストランでウェイターをやっていました。洋食になるので、お酒の取り扱いはワインがメインだったのですが、ワイン造りは自然環境や気候に左右される要素が大きく、ワインを造る機会は1年に1回のみなのです。一方、ビールは対照的に自由な気質があります。1年に何回も造ることができるのが面白いと感じて、ビール造りに興味を持つようになりました。

その状況で都内のクラフトビールをよく飲み回っていたのですが、実は Y.Y.G.Brewery & Beer Kitchen の近所に住んでいたのです。「ここで造られるクラフトビールが美味しいな」と感じて、思い切って、働かせてもらえるように頼み込みました。

現在では、Y.Y.G.Factory で既存のビール醸造とともに、新しく私が考案したレシピでのビール醸造も行うことができています。出来上がるビールのイメージをデザインして、麦芽、ホップ、酵母などを選定しているのです。ビールが出来上がるイメージの状態と実際に出来上がったビールの状態を比較して、次はどのように改善すれば良いのか、トライアンドエラーができることも楽しみの一つですね。

醸造中の様子

Y.Y.G.Factory で味わえるビール・食事とは

−中村さんがこれまでに作ったビールはどのようなビールですか。

『hatsu-haru ホッピーケルシュ』と名付けたビールです。
口当たりが優しくてすっきりしつつ、ホップが感じられるようなドイツスタイルのケルシュと呼ばれるスタイルのビールを造りました。日本の大手ビールメーカーが出しているようなピルスナーに近い、日本人のみなさんにとって馴染み深いスタイルとなっています。

僕らが造るビールの多くは、フルーティでトロピカルなアメリカスタイルのビールが多いのですが、お客さんからはいわゆる「普通っぽい」ビールの需要も一定数あるのでhatsu-haru ホッピーケルシュを造りました。

他には最近だと、季節が春になってきたので、桜もちの香りのエッセンスやさくらんぼを使ったビールに挑戦しました。春の期間限定ではありますが、お客さんからは期間限定のビールを喜んでいただけています。

hatsu-haru ホッピーケルシュ

−反対にクラフトビール の醸造において苦労することはありますか。

衛生面に非常に気を使うことです。少しでも掃除が行き届いてなければ、ビールが全て提供できなくなってしまうので、掃除や衛生面はきちんと管理しています。Y.Y.G.Factory の場合、醸造の前に手作業でタンクをバラして、薬品を使って衛生管理をしています。あとは肉体労働となるので、ビール樽や原料などを運ぶ力が必要になることが大変ですね。

Y.Y.G.Factory で使用されているビール樽
店内にはビアサーバーが数多く設置してある

−ビアサーバーが沢山設置されていますが、何種類くらいのビールを造っているのですか。

毎月2〜3つほど新作のビールが開栓されます。新作といっても完全に新規のレシピではなく、これまで造ったスタイルのビールをアレンジして造っています。年間にすると30〜35種類のビールを造っています。

−ありがとうございます。先ほど、醸造だけではなく飲食も可能と伺いましたがどのような食事を提供されていらっしゃるのですか。

いくつかあるのですが、こだわりでいうと自家製ソーセージを僕が作って提供しています。お肉をミンチ状にして、スパイスとともに腸詰にしています。バリュエーションが多くてシンプルなソーセージはもちろん、辛いソーセージもあります。ソーセージは言うまでもないですがビールに非常に合いますね。

自家製ソーセージ

他には千葉店限定でかき氷の提供を計画しています。栗やキンカン、苺などを考えていまして、ビールが飲めない方にもきていただけるよう工夫しています。

代々木の Y.Y.G.Brewery & Beer Kitchen と比べると、Y.Y.G.Factory はよりチャレンジングなことをやっています。千葉市内だとクラフトビール を楽しめる飲食店が数カ所しかなくてクラフトビールを飲む機会自体が少ないです。クラフトビール を飲むきっかけになるようなお店作りを心がけています。

ビーフジャーキー × ビールが最高の晩酌

−中村さんがおすすめの晩酌はありますか。

塩辛いビーフジャーキーとビールの組み合わせが好きです。

弊社の自家製ビーフジャーキーだと、お肉にスパイスを漬け込んで乾かしていくのですが、乾かし方によって食感の変化を感じることができます。個人的にはソフトな柔らかさで味が濃いビーフジャーキーが好きです。

自家製ビーフジャーキー(右)

他にはぬか漬けを自宅で作ってます。野菜だけじゃなく、お肉やお魚、卵など様々なぬか漬けを作るのが好きです。ぬかを育てて、自分の家の味が作れるのも楽しいですね。

−ありがとうございます。今後は Y.Y.G.Factory としてどのようなスタイルのビールを造りたいですか。

酸味があるサワーエールを造りたいです。サワーエールはクラフトビール通の方たちにしか知られていないような、まだ認知が広がっていないビアスタイルです。そのサワーエールの入門編のビールを僕らが造ってみたいです。

他に個人的には日本の野草の香りを入れたビールを造りたいです。ふきのとうやよもぎなど日本の和の雰囲気を感じられるのが個人的に好きで、野草自体がどのように育てられているのかなど、ストーリーを感じることができるビールを造りたいと考えています。

また、大切な考えとして、料理とシチュエーションに寄り添える楽しいビールを造りたいです。1人で飲むというよりも友達や恋人と一緒に、料理とビールがあるシチュエーションを提供したいです。

Y.Y.G.Factory ブルワー中村さん

Director’s Voice

取材の対応をしていただいた中村さんは Y.Y.G.Factory で醸造だけではなく、前職の経験を生かして料理作りや食事とビールのぺアリング提案をされているようです。新しいビールレシピ開発などチャレンジングな展開を見せるY.Y.G.Factory 。お店のお近くにお住まいの方は是非いかがでしょうか。
Text:Junki Tada

お店の情報はこちら

店舗名Y.Y.G.Factory
住所〒260-0854
千葉県千葉市中央区長洲1-23-4 1F
TEL043-306-2556

営業時間

17:00-23:00(月曜〜金曜)
12:00-23:00(土曜)
12:00-22:00(日曜・祝日)
公式サイトhttp://www.yygbrewery.com/factory.html
職人インタビュー 2020.03.25
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